FC2ブログ

架空庵の日々

まったり生活をこよなく愛する凡人のごく平凡な日記兼雑記帳。

勢いで書いた

SS投下しまーす。
見切り発車ですがボチボチ続けていきますー。



なんというかオリジン的連載SS
『真田英一の日常における非日常係数の上昇とそれに伴う様々な問題の記述』


図書館の空気はカビ臭い、
そうのたまう人間もいるが、俺はその意見には概ね反対意見を表明させて貰う。断じてこの空気はカビ由来100%オンリーではない。日々を重ねて重みを増す本と、そこに刻まれているインク。そして荘厳とも言えるうず高く積まれたその威容は、まさに、そう、これは、
「――叡智の香り」
瞬間、扉が開く。
「うわキモ……」
そこには、手を口元にもっていき、陰陽師の後ろで踊っている僧侶二人の絡みを目撃した基督教徒のように本気でドン引いている表情の女子がいた。
パッと見童顔、だが我々男子を絶妙ストライクで煩悶の底に突き落として已まないそのトランジスタグラマラスはまさに魔性、だがしかし人々は知らない、この外見はあどけない十八歳の少女が大人気覆面801作家であることなど。
「スマンが早く閉めろ、せっかく俺が付けておいた冷房が無駄になる」
引かれた事など一切スルー、これが大人の処世術だがどうも俺より年齢上の先輩様はその辺りを把握なさっていなかったようで、
「何ー? 放課後の図書館で気持ちの悪い台詞をうっとり呟いてた奴が先輩にタメで命令ですかー?」
その台詞に溜息。
「いいか、何回も言ったが俺は敬意を払うべき相手を間違えない、少なくとも、この部屋における“高城怜子”に対して払う敬意の持ち合わせは存在していなくてね」
まあこの遣り取りを平易な日本語訳するなら
「おはよう」
「おはようございます先輩。今日もいい天気ですね」
くらいのものだ。
案の定彼女はヘイヘイと呟きながら指定席に向かい、愛用のPCを立ち上げ始めていた。
ちなみに俺の指定席の対角線上にあるので、彼女の作業中俺は燦然と輝く林檎印を常々拝見している。非常にどうでもいい話だが。
「それはそうと、新作の出来はどうなんだ? この前坂下さんがここまで来て苛々してたが」
坂下というのはこのうら若き作家様付きの編集者であり、調子の上下動の激しい売れっ子の相手に奔走している苦労人(27歳、独身)である。普通にしていればかなりの美人なのだが担当している人間のせいで稀に地が見えてしまうが、あくまでも偶然であることをここにお断りしておく。
「んー」
生返事だ。
「んんんーぅうぅん」
生返事だ。
「んっんぅー?」
何が言いたい。
「あれよ、……取材に行きたいところね」
要するにスランプか。しかし、天才肌なので出す作品で外したことがない。実を言えばかなり質のいい作家だと判じてもいいだろう。しかし、これがスランプ中だということになれば、
「うぅん……? 何かな、もうおはようの時間かなぁ…?」
自然と、本棚の森からのそりと現れた図書室に籠って幾星霜、本好きが高じて何かよく分からん概念的な存在になってしまった本校のOGに食事を与えるのは俺の役目になりそうだ。

全く、手間がかかることこの上ない。


第零章ですね、カッコつけて言えば。
時間見つつやっていきます。可能な限り…。
スポンサーサイト



  1. 2007/07/01(日) 23:28:33|
  2. SS
  3. | トラックバック:0
  4. | コメント:0
<<あーもう | ホーム | いやはや>>

コメント

コメントの投稿


管理者にだけ表示を許可する

トラックバック

トラックバックURLはこちら
http://fancifulhermitage.blog84.fc2.com/tb.php/78-33314a47
この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)

プロフィール

架空庵 

Author:架空庵 
田舎に生を受ける惰眠を好む凡人。重度のオタクでありながらそれを必死に押し隠して生息中。抜けるような酸味と、後を引く苦味が持ち味。
「卍解はまだできないけどきっと覚えます」

最近の記事

最近のコメント

最近のトラックバック

月別アーカイブ

カテゴリー

足跡カウンタ

ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

ブログ内検索

RSSフィード

リンク

このブログをリンクに追加する